コルツァカップから考える『仲間というもの』【スカイバルサ】

コルツァカップも第六回めを数え、その間僕は細く長く大会に関わらしてもらっている。我がチーム、ブルースカイは六年で30人近いメンバーが参加しただろうか。デイケアや居場所型スペースから始めたチームとは違い、ブルースカイは、ポスター、クチコミ、ネットで集まったメンバーだ。フットボーラーたるもの、一度コートに立ってしまえば嫌でも勝敗は気になってしまうもの。けれどこのような組織形態だからだろうか。僕の自チームの勝敗予測はほとんど的中した事がない(笑)ただし、今シーズンは勝手が違った。そもそも人数が足りなかったのだ。そこで、バルサさんの好意もあり、二チーム合同でスカイバルサとして、コルツァカップに出場する事になった。

そしてバルサさんは今までブルースカイが持ち得なかったものを、幾つかもたらしてくれた。連携や安定感と言ったら、表層的だろう。途中出場するとき動きやすいポジション、体調管理の情報の共有、バルサメンバーは深い相互理解にもとづいた『仲間』だった。そして仲間とは『居心地のよいもの』という単純な事実を、僕はけっこう大きなインパクトをもって受け入れる事になった。

それはコルツァ直前に交流練習をさせていただいた。ACルナさんにも感じた事で日曜朝の練習は、ビギナーに充分配慮したもので、20人以上のプレーヤーが和気あいあいと練習に集まる姿は、もう一つの『コミュニティ』ではないかと、密かに感心した。

さらに、他チームについて言及すれば、エスパシオの勝ち方を知っているフットサルには、いつもながら脱帽する。長く大きな大会を勝ち抜いているエスパシオだけに、時に 大舞台の時のような集中力を発揮できない時もあるかもしれない。けれど、味方同士のコーチングを頼りに、1ターム、1タームでプレーを修整出来るのはエスパシオだけだろう。プレー以上に一障害者として感服しているのは、実はそこだ。病気に対する辛さの中で、言い合える強さを身につけるのは、なかなか難しい。

ダンデライオンズさん、FC Dirseさんは、何より毎回こんな遠くまで足を運んでいただけるのがありがたいと思う。距離が遠いのが最大限のネックだと承知の上で、是非『共に暮らす』の集まりでも交流出来たらなと、勝手な希望を抱いている。

そしてシンビアス、コート上で先日会った人間と再開してしまうとつい笑みがこぼれてしまう。けれど彼ら、彼女らが平日も精力的に動いている事を僕は知っている。On,Of 共に充実しているシンビアスメンバーに、密かに?拍手を送りたい。

最後に私事で恐縮だか、13年ほどまえ、病院に入院した時、僕は向精神薬の過剰投与により、筋肉組織が膠着し、まったく動けなくなったことがある。一度無理やりでも寝返りをうつと、動きを止める筋肉がないので、ゴロゴロとベッドから落ちるのを繰り返し、何故か退院許可がおりた後も、しばらくはいっそ自裁すべきか悩んだ。
僕はその後間違いなく、医師やワーカーに恵まれたが、退院後の数年をソフトバレー、その後数年をフットサルと順次身体を動かしていく事で、小遣い程度であれ、仕事ができるまで回復した。
適切なスポーツは再発を防ぐだけではなく、可能性も広げる。今苦しんでいる人の中から、今後それを実感できる人が産まれてくることを、切に願っている。

 

スカイバルサ 小林大史