協会設立のご挨拶
そんなに遠くない昔です。サッカーやフットサルをやりたいという、精神障がいを抱えた方がいました(以下まとめてフットボールと言うことにします)。また、いわゆるひきこもりの人にフットボールを指導することで仲間作りをし、一般の大会に応募して社会参加に結びつけようという支援者がいました。でもそれは極めて少数で、練習場所の確保やいろいろな出費もあり、やろうと思ってもできない状態でした。でも、この5-6年の中で関係者の努力もあり、全国に130あまりの精神障がい者が集まるフットサルチームができています。病院や事業所単位のチームもあれば、当事者が運営するチームもあります。ホームページやブログなどで活動を発信している団体も多いのですが、まだ各チーム同士が連絡・連携をとれているとまでは言い難く、次にどう活動していけばいいのかわからない人たちも多いかと思います。
私達は、そういうやる気はあってもどうしていいかわからない人たちへの支援をしたいと思います。私は医師ですが、この協会の理事の多くは精神障がい当事者です。当事者が、自分たちの力でチームの運営や他のチームとの交流、一般の大会の参加や大会の運営を行い、まっとうな苦労しながら充実感を得ています。
もちろん、人によってできること、できないことがあります。運動はどうにも苦手という人もいます。ただ、フットボールは選手だけのものではありません。応援歌を作りましょう。旗を掲げましょう。熱戦の様子を記事にする、写真やビデオを撮る。栄養サポートやストレッチの勉強をして教えてください。お金を集めるために宣伝をしてください。障がいを抱えた人がそうやって動くことで世界は変わると信じています。フットボールのある生活を通じて誰もが普通に生活できる社会を作りたい。私達の入り口はフットボールでしかありませんが、すべての人が共に暮らす一つの支えになれればと思い、この協会を設立しました。ぜひ皆様のご協力、ご支援をお願いいたします。
理事長 佐々 毅