オープンリーグ2016感想&レポート

 7月17日(日)に千葉ポートアリーナ(千葉市)で開催された『フットサルオープンリーグ交流会2016』は、精神障がいを抱えた人や支援施設スタッフ、医療従事者、ひきこもり経験者、高校のサッカー部員など総勢94名もの参加者に加え、ボランティアスタッフや観客の皆さんを含めると150名を超える方が関わり、大盛況のうちに閉会しました。

 今回、障害の有無や背景など関係なく当日限りのミックスチームでゲームをおこなっていくと共に、フットサルを通じたグループワーク形式で話し合いと交流を進め、チームづくりを行いました。もしかしたら初めてともいえる今回の様な試みを「コミュニケーションフットサル」と称して、今後も継続していくことで障害の有無に関わらない交流を促し、ソーシャルインクルージョンの理念を普及していきたいと考えています。

 トモフトとしては、オープンリーグ2016で生まれた出会いをより育んでいければと願っています。そのための試みのひとつ、クラウドファウンディングは皆さんのご協力のお蔭で無事成立致しました!今後、交流会参加者を交えたお食事会を開催する予定ですので、詳細が決まり次第、ご連絡いたします。

オープンリーグ2016・クラウドファウンディングサイト

 また、交流会の感想もぞくぞく届いています。感想は随時募集していますので、当日の事や交流会後のことなどを聞かせて頂けるという方は、アンケートフォームより送信して頂けるととても嬉しく思います。

アンケート&感想フォーム

交流会実行委員長・降屋 守

フットサルオープンリーグ交流会2016
感想&レポート

【交流会実行スタッフ・ 小林 大史さん】 
【交流会実行スタッフ・中津 乃さん】

【参加者・永井 淳一さん】
【エスパシオメンバー・こばさん】
【県立千葉高校蹴球部の皆さん】

レポート:第二回オープンリーグ開催
         ~障がいの枠組みを越えて~

【交流会実行スタッフ・ 小林 大史さん】 
 千葉『共に暮らす』フットボール協会(以下トモフト)設立からほぼ一年、僕らは定例会である目標について議論を重ねていた。

 ここ数年、精神障がい者フットサルは大幅な普及を果たし、千葉県でも幾人かの方の努力で、毎年コルツァカップを開催し、関東大会出場権を6~8チームで競うまで進展した。けれど、トモフトが目指す所はもう少し野心的だった。短期的には障がい者フットサルの裾野を広げる事、長期的には病気があろうがなかろうが、フットボールを通し、『共に暮らせる』社会を目指したいと考えていたからだ。

 結論からいえば、オープンリーグはその命題に対し、一定の解答を与えるものになった。控えめにいってもなかなか凄いことをやったんじゃないか。

  オープンリーグはコミニケーションをメインテーマに掲げ、ミィーテイングで挙がった案を極力排除せず、『やってみる』というスタンスでのぞんだ。いわく、女性のみの対抗戦がしたい、over40があるといい、体力が残っている人で『おかわりフットサルをしよう』、マイクスタンドまわりを飾り付けしたい、各施設のチラシを受付においたらどう、良いタイミングでBGMがほしいね、その場かぎりの混成チームだとしても形に残る何かがほしい、もちろんネット展開はしよう。

 そういった中でも、もっともチャレンだったのが『クラウドファンデイング』だ。

 クラウドファンデイングは、インターネットを使い活動の主旨と意義を訴えた上で、募金を集めるシステムだ。ただし、面白いのは、目標金額に達しないと一円も受け取れない。それゆえ、呼び掛け人としてはそのイベントの意義をより強く広範に訴えることとなる。そんな中、オープンリーグに対する好意的なコメントや、基金の反応は上々で開催に向けてよい助走期間になった。

 7月17日、オープンリーグ当日、千葉ポートアリーナの開館は8時30分だが、その前からすでに20人近くが集まっている。呼び掛けに応じ他県からヘルプで駆けつけてくれた方もいて、談話にも微かに熱が入る。

 そして開場、コミュニケーションを第1テーマにしているので、今回綿密なコート作りはないが、約100人のプレイヤーを迎える準備だ。時間の経過は速い。

 混成チームの相互理解を助けるために、ホワイトボードや名札用ガムテープが並べなれていく。誰のアイデアだったか、ガムテープには自分の『あだな』を書きユニフォームにつける事にした。2、3試合でみんな あだなでチームメイトを呼びあう事になる。今回は完全なミックス大会なので、これは上手いアイデアだ。

  10時、ものものしい開会式はいらないという事で10分で終わり、各チーム、自己紹介、チーム名、チーム目標など話し合いながら決めていく。その展開をみながら、ファリシテェータがキャプテン選出までをフォローする。各チームの顔ぶれは多彩だ。福祉関係者にとどまらず、フットサルコートで知り合った一般の方、日本サッカー協会の方、そして各チームに二人は若い顔も見られる。県立千葉高校の一年生が、今回オープンリーグの主旨に賛同し、参加してくれたのだ。体育会側の好意で冷房があったとはいえ、7月は消耗が激しい。コート内外において、快活な彼らがいてくれた事は大変ありがたかった。

 お昼休憩に並行して、over40と女性オンリーの試合が組まれた。しかし、人数がやや足りず、急きょover40+女性 のミックスになった。快く応じてくれた参加者に感謝したい。

 午後になると、よりチームカラーがはっきりしてくる。ぐいぐい仕掛けるチーム、パスを繋ぐ事を重視するチーム、いい大人が笑顔で高校生に突っ込みをいれるチーム。そんな中僕は、誰が当事者で、誰が支援者で、誰が一般の方で、誰が高校生かなんてどうでもよくなった。というか忘れてしまった。いつも上手くいくかは分からない。けれど上手くいけばボール蹴りは魔法が発動する。誰でも笑顔で走り回れるという魔法が。

 閉会前に、僕らはもう1つだけ新しく新しく試みをした。1分間でチームメイト1人ぶんずつメッセージを書き、それを寄せ書きのように回していくのだ。見渡せばみんな『1分早いよ』といっている。今日始めて組んだメンバー同士が、1分以上かけて各々にメッセージを書きこもうとしている。

 僕はこの時、大会の成功を確信した。そしてトモフトの仲間も同じ感想を抱いたのだ。

【交流会実行スタッフ・中津 乃さん】

 私は本フットサル交流会の実行委員として、出会ったばかりの参加者で編成したその日限りのチームでファシリテーター(司会進行)を務めました。最初の話し合いの中で、「チームみんながフットサルを楽しむ為にはどうすればいいでしょう?」という私の質問に「一人ひとりがチームメンバー全員にパスをしよう!」「その為にニックネームを呼び合いながらパスをしよう!」という目標を共有しました。いざフットサルゲームが始まると、次第にそれぞれのチーム特色が形成され、最後の振り返りの時にはメンバー全員にパスをするという自分達のチーム目標も達成できており、一期一会チームとは思えない一体感を得ました。また、実行委員の私たちのコンセプトは様々な人を隔てることなく、みんなで楽しむことでしたので、私もチームメンバーの一人として夢中にプレイすることができました。チームみんなに感謝しています。

【参加者・永井 淳一さん】

 私は初対面の人たちと関わるのが苦手です。相手がどんなバックグラウンドをもった人物か、わからないからです。しかし、一つのボールを皆で無心になって追いかけているうちに一体感が出てきました。フットサルのパワーを感じました。そして、バックグラウンドなんて関係ないことに気づきました。
 昔からW杯や五輪などはバックグラウンドの同じ「国」で分けられてスポーツが大々的に行われてきました。しかし世界の平和に思いを巡らせたとき、今回の交流会のように障害の有無に関係なく、多様な人々が集まりスポーツを一緒になって楽しむことは、言葉や人種、国境を越えていく力があると感じました。交流会を通じて、フットサルは私にとって、人と人を結ぶ架け橋のように感じられました。

【エスパシオメンバー・こばさん】

 7月17日に千葉ポートアリーナで行われたオープンリーグ交流会に参加してきました!そして、この交流会はチーム単位での参加ではなく、個人参加型の交流会でした。はじめに、トランプのカードの番号によって分けられた10のチームに分けられそこにファシリテーターさんを加えてチームの目標を立てて、キャプテンを皆で話し合ってチームを決めます。ファシリテーターとはメンバーを繋ぐ大会のスタッフさんです。試合は10チーム総当たりではなくリーグ戦で、1チーム全部で5試合行われました。

 お昼の中断時間には、途中経過としてチームのメンバーさんみんなが目標を達成しているか中間ミーティングをしました。

 全試合終了後は、目標を振り返りながらチームのメンバーそれぞれに寄せ書きを書き込み最後は全体で告知コーナーと写真撮影をしました。
 個人的に、初のキャプテンを任され やってみると結構大変でした。チーム目標は点を決めたら笑顔でハイタッチで チームとしては出来たけど、個人的には点は無かったし、アシストもあと少しで出来ず、結果を残す事が出来ませんでした。

 個人の力を引き出してチームをまとめる事の大切さと、コミュニケーションの重要性を感じた大会でした。やや頼りないキャプテンでしたが、チームのメンバーに支えて貰えた事に感謝して貴重な経験をさせて貰ったと思いました。

ありがとうございましたm(__)m

【県立千葉高校蹴球部の皆さん】

県千葉蹴球部1年・高橋 祐哉さん
 今回のフットサルは何より楽しかったです!久しぶりにこんなにサッカーが心から楽しいと感じました。最初は上の年齢の人とスポーツを一緒に行うのは不安でしたが、各チームに分かれた後笑顔で声をかけてもらい嬉しかったのを覚えています。また、試合をする中で大人の方のプレーのレベルの高さを感じ、たくさんのことを学ぶことが出来ました。障害のある、ない関わらず同じサッカーが好きな仲間で集まることはこんなにも楽しいことなんだと改めて感じることができ、明るく優しく接してくださった大人の方にも本当に感謝しています!これからもこのような機会があったら、積極的に参加したいと思います。本当に楽しかったです!!

県千葉蹴球部1年・中園 翔斗さん
 先日のサッカーの感想です。
 私は人とコミュニケーションをとることが得意とは言えません。参加する前は、知らない人とコミュニケーションをとらないといけないなんて…と憂鬱になっていました。しかし、いざ参加してみると楽しく、年齢関係なく接する事が出来ました。それはサッカーという共通点があり、心からサッカーを楽しもうという気持ちが一つになったからだと思います。
 やはり、サッカーは性別、人種、あらゆる障害を越えて楽しめる魔法のようなスポーツなんだと改めて実感しました。
 また、このような機会があったら参加したいなと思います!
 貴重な体験をありがとうございました。

県千葉蹴球部1年・苅込 凌太郎さん
 フットサルは自分はあまりプレーしたことがないのと障害のある方とプレーするという事でとても不安でした。しかし、フットサルチームの方がとても丁寧に戦術や技術を教えてくださり、とても楽しくフットサルをすることができました。また、障害のある方ともコミュニケーションをとりながら安心して楽しくできました。このことは自分にとってとても勉強になりました。ありがとうございました。

    
県千葉蹴球部1年・髙橋 諒さん
 私は初対面の人とコミュニケーションをとるのが苦手で大丈夫なのかなと思いましたがあまりそのような事は気にせずに話すことができました。また、この体験を通じて人とコミュニケーションをとることの大切さを学ぶことができました。このような貴重な経験をすることができたのでよかったと感じました。このような経験を体験させてくださってありがとうございました。とても楽しかったのでまたこのような経験をやってみたいと思いました。

県千葉蹴球部1年 ・田村 辰斗さん
 僕はコミュニケーションをとるのが下手なので最初は初めて会う障害のある人とうまく馴染むことができるのか、不安でした。でも、当日になると向こうから声をかけてくださり、とても馴染みやすく、いい出会いになりました。フットサルでは自分の想像以上にレベルが高く、試合を楽しみながら勝利を目指すことができました。フットサルは攻守の切り替えがサッカーよりもはやく、これからサッカーをするにあたっていかせる部分が多くあり、良い経験になりました。また、普通に試合をするだけでなく、チームで目標やそれに対する具体的なルールを決めたり終わった後にはその目標の反省をしたりと、普段ではやらないようなことを経験できて、良かったです。この日を通して、スポーツをするのに障害のあるなしは関係ないと強く実感できました。高校に入ってすぐの保健の授業で健康とはどのような状態なのか考え、意見を発表しあいました。初めは健康は普通に生活できる状態のことだと考えていましたが、他の人の発表を聞くうちに体に何か不具合があっても、運動をしたり、食事をしたりして生活を楽しむことができれば健康と言えるのではないかと思うようになっていきました。

県千葉蹴球部1年 ・大久保 文也
 こんかのフットサル交流会は結果から言うと、とても楽しいものでした。はじめは障害者の方とサッカーをするということで何もわからない状態で不安でしたが、いざやってみると障害のあるなし関係なくみんなで一緒になってサッカーできたので良かったです。
また、レベルの高い方たちもいたので強い刺激を受けました。
今回はどうもありがとうございました。

県千葉蹴球部1年 ・内田 怜
 先日はフットサルオープンリーグでお世話になりました。
最初は障害を持った人たちとサッカーで楽しませられるかとても不安でした。しかし、自分が思っていた以上に高い技術を持っていて、逆に自分が学ばなければならないことがたくさんありました。
 また、試合もとても迫力のあるものでついていくのが大変でした。
今回はサッカーを心から楽しむことができ、とても良い機会となりました。ありがとうございました。

県千葉蹴球部1年・大島 翔汰
 はじめはたくさんの知らない人とチームになり、名前を覚えることで精一杯でしたが、互いに名前を呼び合ううちにどんどん慣れていって、自ら話しかけることができるようになりました。また、僕はフットサル自体をあまりやったことがなかったのですが、周りの方々が優しく丁寧にサッカーとフットサルの違いを教えてくれて、とてもやりやすかったです。チーム目標であった「点を決めた時に全員でハイタッチ」というのを実行した時は、とてもチーム内の雰囲気がよくなり、楽しくなりました。また、このような機会があれば是非参加したいです。

県千葉蹴球部1年・齋藤 貴仁
 今回の企画を聞いてから、当日になるまで、初対面の人とコミュニケーションをとり、楽しくフットサルができるか不安でした。しかし、フットサルをしていく中で、年齢や性別すら異なった人達のチームが1つにまとまり、そして楽しむことができ、不安がすぐに消えました。もしフットサルを通してでなければ、こんなにもまとまり、楽しめてはいなかったのではないかと思います。だから、スポーツは色々な人を繋ぐことができる良いものだと実感することが出来ました。
今回このような経験が出来て良かったです。ありがとうございました。