体育の成績が1と2ばかりだった私がシュートを決めた日

2024年5月15日、お試しトモフトフットサルに参加させていただきました。

タイトルの通り、私は運動神経が全然無く、スポーツ経験は学校の体育の授業くらいでした。

10年ほど前から、トモフト関係者の方に「フットサルやってるから来てよ」と誘われていたのですが、私みたいな者が参加しても皆さんの足を引っ張るだけだし、いくら練習しても上手くならない自分の限界も知っていたので、ずっとお断りしていました。

ところが数年くらい前から病気の治療が軌道に乗り、体調が良くなってきて、体を動かすことは難しいけど、ほかのことならお手伝いできるかも、と思えるまでに回復してきました。

実際にコルツァカップやオープンリーグのボランティアなどをさせていただくうち、皆さん楽しそうにフットサルをプレイしているなぁと思う自分に気付きました。私もあんなふうに走って、蹴って、声を掛け合って、ってできたらいいな。でも無理だろうな……。

そんななか、今年1月上旬、トモフトでワーキンググループ(WG)が発足しました。現状に満足していなかった私は、何か自分を変えることができるかもしれない、と思い、即参加を申し込みました。

最初は、ボランティアの延長で参加したつもりでしたが、WGで皆さんのお話をお聞きしたりしているうちに、「もしかして私もプレイに参加してもいいのかも?」と思い始めました。

これは本当に不思議なもので、皆さんが暖かいのです。誰も責めない、批判しない、違いを受け入れる。居心地がいいな、と思いました。

私が「よし、トモフトフットサルに行ってみよう」と思えるようになるまで、それほど時間はかかりませんでした。

そして冒頭の5月15日です。開催時刻は15時からでしたが、念には念を入れて14時過ぎに会場へ到着しました。しかし、既にほとんどの参加者がいらしていたんじゃないかと思います。皆さん、それほど楽しみにされているんだな、と驚きました。

ロッカー室で支度をし、会場となっているサブアリーナへ向かう時は、とても緊張しました。これから何が始まるのか? 本当に私なんかが参加していいの? 運動音痴が参加したら邪魔じゃない? etc.

最初はWGメンバーということで、その日に行われるプログラムの流れを教えていただきました。その時、初めてフットサルのボールを蹴りました! 想像以上にずっしりとして重かったです。

模擬練習でパス回しをしました。パスを受けて、次へ渡す。たったこれだけのことが学生時代にはできず、「やる気が無いなら帰れ」と罵声を浴びせられていました。ところが、今回はなんの苦労も無くできてしまいました!

できるようになった理由は1つ。私が受け取りやすいようなパスをしてくださっていたからです。細やかな配慮が本当にありがたく感じました。同時に「私にもできるんだ!」と少し前向きに思えるようになりました。

渡す時も同じです。変な方向へ行っても、次の方がボールを追って動いているんです。でも、それで怒られるようなことはありませんでした。皆さんの優しさが心に染みわたりました。

この後、実際にトモフトフットサルが始まって、具体的な練習メニューを行いましたが、ここでも皆さんがとても優しくて、私ができるようになるまで見守ってくださいました。

最後に、ウォーキングフットボールの簡単なゲームを行いました。

ウォーキングフットボールとサッカーの違いはかなりあるのですが、講師の先生がいらしていて、ルールを単純明快に分かりやすく解説してくださったので、特に問題ありませんでした。

ところがそれ以外の部分で私は急に不安になりました。学生時代、「あいつにパスを回すと敵にすぐ取られるから、絶対に回すな」と言われたりしていたので、どうせ私なんかにパスは回ってこない、と思っていました。

でも、回ってきてしまったのです! ゴール付近に立っていたので、当たり前と言えば当たり前なんですが、普通にパスされました……。あたふたしながらシュートしました。

最初は外れた気がします。必死でした。何度か打って、ようやく決まった時、感動と達成感と充実感と、いろいろな感情が押し寄せてきて、本当に嬉しかったです。

その後もシュートチャンスは何度も訪れ、ほとんどを外しましたが、皆さんが諦めずにアシストしてくださったので、私も諦めずにチャレンジしました。

結果、何度かゴールを決めることができました。

対戦チームを変えて2ゲームしただけで私はバテてしまい、見学に回らせていただきましたが、私が抜けた後の常連メンバーさんたちのゲームは、結構激しかったです(笑)。あぁ今までは私がいたから思いやりモードだったんだな、と思って苦笑していました。

この時つくづく思いました。私はなぜこんなに参加することをためらっていたのだろうか、と。

運動・スポーツは自分にはできない、と完全に諦めていました。自分の人生に縁の無いものだと思っていました。

でも、年齢的に中高年と言われるようになって、健康診断の結果が年々悪くなってきたり、在宅勤務で通勤も無くなったことから、運動不足が慢性化したり、自分の中で「体を動かすことへの需要」が高まっていました。

しかし、フィットネスクラブなど高額な会費が必要なところは続けられませんし、そもそも精神障害を抱えて一般向けのクラブや教室を利用することに抵抗を感じていました。

そんなとき、白羽の矢が立ったのがトモフトでした。月1~2回開催、参加は強制ではない、行きたい時に行けばいい、会費無料。色々な意味で都合がいいです。

しかし、くどいようですが「本当に私のような運動神経の無い人間が参加してもいいのか?」という部分がどうしても引っかかって、ずっと二の足を踏んでいました。

でも、実際に参加してみたら、取り越し苦労でした。本当に拍子抜けでした。トモフトは純粋に楽しかったです。

学生時代に受けた授業のような画一的なプログラムでは無く、できない私にもレベルを合わせてくれました。終始楽しくボールを蹴って、楽しくゲームをして、という感じでした。全然厳しくないし、難しくもありませんでした。

私ができないからといって嫌な雰囲気になることは一切ありませんでした。シュートを失敗してもまったく責められない。これは私にとって大きな衝撃でした。

そういえば、コルツァカップやオープンリーグを見ていても、誰かが失敗しても責める人がいないことを思い出しました。そうか、そういうカルチャーなんだ。

と思ったら、肩の力が抜けました。

もちろん上手くなるためには厳しさも必要だとは思いますが、今の私はまだその段階では無いです。まずは慣れる、という段階だと思っています。

それを理解してくださるトモフトの皆さんに感謝申し上げたいです。