コルツァカップ感想【エスパシオ】

コルツァカップ参加者の皆様、及び大会の企画運営をされた方々、本当にお疲れさまでした。この場を借りてお礼を申し上げます。

 コルツァカップは、我々エスパシオにとって関東大会からさらにその上の全国大会へと続く最重要大会の一つです。つまりは、千葉県障害者フットサルの代表チームを決める大会です。我々は、コルツァカップに勝つために日々厳しいトレーニングと練習試合を数多くこなし、何事にも動じないメンタリティを鍛え上げてまいりました。また、団体競技であるフットサルに最も重要なチームプレーを磨き上げてまいりました。その結果、辛勝に辛勝を重ね優勝することができました。勝ったこと自体も嬉しいことですが、何より一番嬉しかったのは、レギュラー含め全登録選手を出場させられた事です。ここにエスパシオの強みがあるのだと私は考えます。それは、チーム一丸となって目標を設定し突き進む力となり、また、チームのために個々人が上手くなろうと技術を磨いていく原動力になるものだと思います。

 今年のコルツァカップは、例年にも増して好カードが増え千葉県全体のレベルが年々上昇していることを如実に表していました。選手一人ひとりが勝ちたいという思いをもってフットサルに取り組んでいる結果だと思われます。また、柏TOR’82所属のような素晴らしいチームの方々に審判をしていただけて、公明正大なジャッジを受けることができ、本当にありがたい限りです。機会がある度に柏TOR’82の試合の応援に行こうと思っております。頑張ってください。

 また今年、JFAがJSFAなど各障害者団体への支援を決定し、コルツァカップもJSFA及び千葉県サッカー協会の協力を得られるようになり千葉県内では、最も規模の大きな大会に成長しました。この流れを断ち切らないよう我々も当事者としてコルツァカップの発展に尽力してまいりたいと思います。全力で正々堂々戦い抜く。この姿勢を貫き通していきたいです。

 エスパシオというチームは、ひだクリニックという病院に所属するチームです。決して人数の多いチームではありません。いつも出場選手の確保に苦労しております。しかし、人の入れ替わりは、緩やかで一度入った人は、なかなか辞めようとしません。症状の不安定な状態でデイケアに通っているような人もいれば、パートタイム勤務やフルタイム勤務で就労している人もいます。しかし、皆デイケアを卒業した後もエスパシオにだけ参加する。そんな場所になっております。なぜ皆は、自発的にエスパシオに残っていくのでしょうか。その理由は、簡単です。エスパシオが優れた社会の縮図だからです。チームメイト個々人には、個々人の人生があって様々な過去や十人十色の未来を持っているはずです。しかし、みんなが生きているのは、現在つまりは貴重な今です。それを障害者フットサルという競技を経て共有することが何より楽しいからなかなかエスパシオを辞めようとしないのです。社会の縮図とは、辛いことも悲しいことも楽しいことも嬉しいこともみんなで共有して乗り越えていくという意味で考えております。自分を評価するのは自分では無く他人です。チームを通して社会を見ることでフットサルの技術の向上以上にコミュニケーションの大切さや仲間のありがたみを感じることができるはずです。人と人との繋がりが社会を構成しているのだと考えます。

 一般的には、リハビリの最終目標は社会復帰であるといわれています。しかし、それに対してエスパシオでは仕事もフットサルも頑張るが合言葉になっております。簡単なことではないです。フルタイムで働いて残業もしてフットサルもしてと非常にハードです。しかし、それを実行し続けることが社会にコミットしながら障害者として生きていく有力な手段ではないのかと考えます。「病気になる前よりももっと元気はつらつと」をスローガンにエスパシオとしての活動を続けていこうと思います。エスパシオは色んな大会に出場させて頂いてますが、地元千葉のコルツァカップもとても大事な大会だと思っています。
 結果は優勝する事が出来て嬉しかったです。

 福太郎アリーナの広いコートと柏Torさんの正確なジャッジやクリニックやエキシビションマッチのなど、個人的にとても充実している大会だったと思いました。千葉は他の地域に比べて障がい者フットサルのレベルが高く普及も進んでいると思います。これも共フトの皆さんとコルツァカップ実行委員の皆さんのお陰だと思います。JFAの「サッカーなら、どんな障害も越えられる」というキャッチフレーズのもと、サッカーやフットサルを通して、リハビリや社会復帰を目指せる環境が整ってきているのは当事者として幸せな事です。ありがとうございます。

コルツァカップを経験して【シンビアス】

                      シンビアス 永井淳一

僕らのチーム「シンビアス」の中には、仕事とフットサル練習を両立している選手が3人いました。そして、練習にはほとんど参加せずコルツァカップ当日だけ参加した人も3人いました。

普段の練習も殺風景なものでした。何しろ3人くらいしか練習に来ないからです。

そして私(筆者)の背番号は「3」。全て「3」でそろっているのに、結果は4位でした。(泣)

まあ冗談はともかくとして、今回参加した6チームの中で「エスパシオ」と「ACルナ」が際立って強かったと思いました。これらのチームの理念は「勝ち抜くこと」ではないでしょうか。逆にその他4チームのそれはフットサルを純粋に「楽しみたい」と思っていたのではないでしょうか。そのように感じました。

しかし、後者のチームの全員がその理念を貫いていたかというと嘘になります。中には「勝ち」にこだわる人もいたでしょう。チーム全体で理念を確認して大会に臨んだチームは少数派かもしれません。だから、次の大会からはアドバンスとビギナーに分け、アドバンスとは「真剣勝負の場」、ビギナーは「楽しむ場」という風にテーマをつくってみたらどうかと提案します。

あるチームでは2軍、3軍もあって、試合に出たかったのに出られない人が大勢いたと聞いています。そういうチームは2つ、3つに分けエントリーし、会場に来たみんなが試合を体感できるようにすべきではないかと思うのです。

フットサルの裾野を広げ、プレーを通してみんなで元気になることを目標にすえるためにも。

次に、試合を見ていて残念だなと思ったことを記しておきたいと思います。それは故意にファウルをしたわけではないのに、ベンチのメンバーから“野次”が飛んでいたことです。特に僕らのチームは正式なルールも正確には理解できないまま出場した選手がほとんどです。そうした過度な温度差、実力差を避けるためにもグループ分けは必要だと思いました。

コルツァカップのポスターにはこんなキャッチフレーズが載っていました。「試合の後に咲く気持ち」、野次や強者が弱者をからかうような言動が出るような試合後の気持ちなどたかが知れています。「出なきゃ良かった、もう出たくない」。精神障害者を元気にするどころか逆効果になってしまいます。

僕は今回1回ファウルをしてしまいましたが、試合後の握手をの時、相手チームのキャプテンに「ファウルしてしまってすみません」と謝罪しました。

そうしたら、そのキャプテンも僕らのチームの一人に何か危険なプレーをしたのか謝っていました。

こうした、相手を思いやる一言が出るかどうかでも「咲く気持ち」は変わってきます。ラグビー用語の「ノーサイド」のように、試合後は敵味方の分け隔てなく一緒に笑えたらいいなと思いました。

                            以上

シンビアス

コルツァカップを終えて【BALSA】

 今大会でコルツァカップ参加は 2 回目となりました。私はバルサに所属しておりますが、今回はブルースカイさんと合同チームとなりました。皆で楽しい時間を過ごせたと思います。大会全体を通じてみなさまのフットサル熱がとても感じられて、いい 1 日だったと夜寝る前にお私のチームの FC スカイバルサは、幅広い年齢層でうまくまとまっていたと思います。もちろん他のチームも様々な年齢層だと思います。それだけ大会そのものの懐の深さを感じます。試合のほうも、キャプテンの的確な判断と監督の戦術的なアドバイスもあって、3 位入賞したので、収穫があった印象です。さすがに決勝戦となると、2 強の争いになりましたが、他チームが目指すチームとなる分、練習にも力がはいるところでしょう。日々精進ですね。もともと、健康のために始めたフットサルが、生活の張りとなり、目標がやりがいになっていく過程で、スポーツが自分に起こした変化は計り知れません。フットサルを通じて、自分の中で生まれていくものを大切に、今後も大会および障がい者フットサルの発展に関わっていく大会運営の方々、ボランティアの方々、フットサルチームの方々、サポートしてくださる方々、たくさんの関係性がいい作用を生んですばらしい大会ができているのですね。大会関係者のみ毎日忙しくしているなかでも、ちょっとボールを蹴ってみる。そんな時間が好きでいられるよう、これからも頑張っていこうと思います。

BALSA 所属
A.Y

コルツァカップから考える『仲間というもの』【スカイバルサ】

コルツァカップも第六回めを数え、その間僕は細く長く大会に関わらしてもらっている。我がチーム、ブルースカイは六年で30人近いメンバーが参加しただろうか。デイケアや居場所型スペースから始めたチームとは違い、ブルースカイは、ポスター、クチコミ、ネットで集まったメンバーだ。フットボーラーたるもの、一度コートに立ってしまえば嫌でも勝敗は気になってしまうもの。けれどこのような組織形態だからだろうか。僕の自チームの勝敗予測はほとんど的中した事がない(笑)ただし、今シーズンは勝手が違った。そもそも人数が足りなかったのだ。そこで、バルサさんの好意もあり、二チーム合同でスカイバルサとして、コルツァカップに出場する事になった。

そしてバルサさんは今までブルースカイが持ち得なかったものを、幾つかもたらしてくれた。連携や安定感と言ったら、表層的だろう。途中出場するとき動きやすいポジション、体調管理の情報の共有、バルサメンバーは深い相互理解にもとづいた『仲間』だった。そして仲間とは『居心地のよいもの』という単純な事実を、僕はけっこう大きなインパクトをもって受け入れる事になった。

それはコルツァ直前に交流練習をさせていただいた。ACルナさんにも感じた事で日曜朝の練習は、ビギナーに充分配慮したもので、20人以上のプレーヤーが和気あいあいと練習に集まる姿は、もう一つの『コミュニティ』ではないかと、密かに感心した。

さらに、他チームについて言及すれば、エスパシオの勝ち方を知っているフットサルには、いつもながら脱帽する。長く大きな大会を勝ち抜いているエスパシオだけに、時に 大舞台の時のような集中力を発揮できない時もあるかもしれない。けれど、味方同士のコーチングを頼りに、1ターム、1タームでプレーを修整出来るのはエスパシオだけだろう。プレー以上に一障害者として感服しているのは、実はそこだ。病気に対する辛さの中で、言い合える強さを身につけるのは、なかなか難しい。

ダンデライオンズさん、FC Dirseさんは、何より毎回こんな遠くまで足を運んでいただけるのがありがたいと思う。距離が遠いのが最大限のネックだと承知の上で、是非『共に暮らす』の集まりでも交流出来たらなと、勝手な希望を抱いている。

そしてシンビアス、コート上で先日会った人間と再開してしまうとつい笑みがこぼれてしまう。けれど彼ら、彼女らが平日も精力的に動いている事を僕は知っている。On,Of 共に充実しているシンビアスメンバーに、密かに?拍手を送りたい。

最後に私事で恐縮だか、13年ほどまえ、病院に入院した時、僕は向精神薬の過剰投与により、筋肉組織が膠着し、まったく動けなくなったことがある。一度無理やりでも寝返りをうつと、動きを止める筋肉がないので、ゴロゴロとベッドから落ちるのを繰り返し、何故か退院許可がおりた後も、しばらくはいっそ自裁すべきか悩んだ。
僕はその後間違いなく、医師やワーカーに恵まれたが、退院後の数年をソフトバレー、その後数年をフットサルと順次身体を動かしていく事で、小遣い程度であれ、仕事ができるまで回復した。
適切なスポーツは再発を防ぐだけではなく、可能性も広げる。今苦しんでいる人の中から、今後それを実感できる人が産まれてくることを、切に願っている。

 

スカイバルサ 小林大史